結論
- 保険料は大きな負債
- 特に死亡というイベントは、極めて稀な現象
保険料の支払い
保険は、入るのが当然といった風潮があります。
端的に、これらの風潮は間違いと言われています。
医療者は患者さんのためにあるという認識も同様で、間違っています。
半分はあっているかもしれませんが、何故その職業に就くのかという視点が必要になります。
医療者は、患者さんのためにありますが、その前提として適切な給与の支払いという前提があります。
医師は、平均的に頭脳の明晰さでいうとトップレベルにあります。
そのような、頭脳の明晰さを併せ持ち、かつ国家資格を持っている人材は高額の給与を受給しています。
とはいえ、頭脳の明晰さイコール、知的好奇心に優れているわけではありません。
医師になる前までの頭脳は明晰かもしれませんが、医師になるために大学に入ってからはそれほど勉強をしていない医師もいるかも知れません。
わたしは医師ではありませんので、あくまでも臨床経験に過ぎません。
当然ですが、いろんな医師がいるということです。
そして、何故医師を目指すのかというと、給与面での優遇も1つ挙げられるかもしれません。
医師の給与が安い場合は、これほど医師になりたい人材は少ないでしょう。
人の命に関わる職業であり、最終的な意思決定を行い、実際に手を差し伸べる医師であるからこそ与えられた特権であるともいえます。
保険業界の場合
一方、保険業界も同じく、給与を貰う必要があります。
給与はどこから発生するのかというと、当然保険料からなります。
たくさんの人から保険料として聴取し、一部の不幸にも病気になってしまった人たちのために使用するというこの制度は、とても良い制度であるといえます。
とはいえ、すくなくとも死亡保険はとても稀な事象であるということを認識しておく必要があります。
たとえば、飛行機に乗る場合は墜落する可能性があります。
けれども、墜落する度合いの見積もりが必要になります。
たとえば、ヘリコプターのほうが旅客機よりも墜落件数は多いとされています。
飛行機事故の場合、起こった事象に対するインパクトが強いため、人々の記憶にも定着しやすいといえます。
極論ですが、海や山に墜落したとしても、その数は多くても数百人です。
ワクチン後進国である日本の場合、HPVワクチンの話が常に話題に登ります。
日本では、毎年1万人が子宮頸がんに罹患し、そのうち3000人が死亡するとされています。
3000人が死亡するということは、300人乗りの旅客機が10回墜落して、全員死亡するのと同じ死亡者数ということになります。
死亡というイベントは稀
臨床研究で最も強いインパクトを持つのが、死亡率改善効果です。
これは、先に書いたように「死亡」というイベントが稀であり、かつ最も強いアウトカムであるからです。
つまり、死亡率を改善させたという研究結果の場合は、そもそも研究に必要な患者さんの数も多くなります。
数が多く必要であるということは、それだけ死亡というイベントが稀であるからと言うことになります。
以前はサロゲートマーカーと言われる代用指標がよく使われていました。
代表指標とは、〇〇という値が減少しました、だから死亡率改善効果も期待できる、といったものです。
一見ロジックが通っているようにも思うかもしれませんが、全く通っていません。
死亡率は、死亡率をアウトカムにしてはじめて検出されるものになります。
もしもに備えて
もしもに備えることは、非常に重要なことです。
例えば、震災などがその代表です。
大規模震災が起きると、人々はパニックになります。
パニックになれば、店での買い占めにより一気にものがなくなります。
買い占めているのを見たひとも、不安になり更に必要のない買い物を行ってしまいます。
その結果、本当に必要な人に物資が供給できないという事態に陥ります。
例えば、新型コロナの際には、マスクが日本中から消えました。
その一方で、入院してくる高齢患者さんの中には、自宅には数千枚マスクがある、と言っている人もいました。
このように、不必要な買い占めの結果、医療機関でマスクが使えなくなったことは記憶に新しいです。
一方、医療保険の場合は他の保険でカバー可能です。
月々支払い続けるその保険金を、投資に回すことで病気になった際にも助けてくれることでしょう。
まとめ
- 民間の医療保険は、一般的に積極的に契約するものではない。
- 医療保険には、いくつもの制度でカバーされており、民間の保険は不要な場合が多い。
- 支出の見直しポイントの代表が、保険。
- とはいえ、健康には気をつける。