著者の小川先生は、ハーバード大学のマサチューセッツ総合病院(MGH)の研究員をされている方のようです。
著者のことは、この著書で初めて知ったのですが、おそらく正しい情報を提供していただいているのだと思います。
引用している文献の数は、36と少なめではありますが、皮膚科研究の最前線の医師がいっていることなので、それほどおかしなことは言っていないと思っています。
第1章:第一印象を決めるのは肌
欧米のエリートと言われる方々は、美肌意識が高いとされています。
とくに男性は、化粧をする人は殆どいませんので、男性こそ本来重要なはずです。
当然ですが、そのためには、日常のケアの積み重ねが重要となります。
5つの老けポイント
- 目の外側のシワ
- 目の下のたるみ
- くま
- 肌のくすみ
- 髪の毛の量
顔には詳しくないのですが、美容外科医はこのあたりを上手に調整することで、顔の若返りを図っているのだと思います。
顔を正しく洗う
顔は、朝晩2回洗うこと。
朝でも、洗顔料をつかって洗うのがおすすめですが、洗顔のしすぎは逆効果となるため、そのあたりの調整が難しいです。
とはいえ、朝晩2回それぞれ洗顔料を使用して洗顔するというのが基本パターンですので、これを遵守すればよいと思います。
いろんなところで言われることですが、洗顔料は泡立ててから使うことも大事です。
洗顔後は、タオルを当てるように水分を拭き取り、ゴシゴシ擦ることは、最もやってはいけない事とされています。
このあたりは、雑誌に書かれていることとおなじような意見ですので、正しい戦略が世間に流布しているものと言えます。
保湿で乾燥を防ぐ
乾燥は肌の大敵です。
冬や航空機内では、肌が乾燥する方も多いと思います。
乾燥すると、シワが増えカサカサしてきます。
その、乾燥してカサカサした状態がでは、キメが乱れた状態になります。
水分を含んだ肌は、キメが細かくなり、きれいな肌に見えるというわけです。
保湿剤
保湿剤は、乾燥肌でも脂性肌でも使用したほうが良いです。
どんな肌であっても、保湿は基本になります。
保湿剤の使用タイミングは、入浴後すぐです。
とにかく、早めに塗るのが効果的とされています。
入浴後以外では、乾燥したら適宜保湿を行うと良いとされています。
紫外線対策
紫外線が肌に良くないのは、もはや常識です。
沢山浴びると、シミ・ソバカスの原因にもなりますし、なにより皮膚癌の危険因子とされています。
日光浴でビタミンDを生成するとされています。
しかし、日光浴は素押し外出する程度で十分とされています。
わざわざ日焼けしてまで、というのは害の方が強くなります。
紫外線は、10年20年後の老化を促進しますので、日焼けの可能性がある場合は、日焼け止めを効果的に使用し、予防することが重要です。
当然ですが、日焼けは保湿もうしなわれますので、キメがなくなり、老けた印象につながるというわけです。
紫外線対策
- サングラスを使用し、目からの日焼けをよぼうする
- 紫外線が強い時間の外出を避ける
- 曇りの日も油断しない
- 冬も油断しない
- 日焼け止めを正しく使う
紫外線は、目からも入りますので、予防が重要です。
目から紫外線が入ると、それだけでメラニンが作られ、シミ・そばかすが出来てしまいます。
皮膚を守るためにも、サングラスは重要な役割を担っていると言えます。
ただのおしゃれ以上の意味合いがあると言えます。
照り返しの代表は、雪山ですが、アスファルトでも10%程度あるとされています。
なるべく日陰を歩き、そもそもそのような時間帯には出歩かないことも対策になります。
冬でも油断は禁物で、同様に日焼け止めを使用します。
冬でも日焼けはしますが、太陽が温かいため、つい日にあたることで、夏よりも紫外線暴露量が増える可能性もありますので、注意が必要です。
窓ガラス越しでも紫外線は入ってきます。
UVカットは別ですが、自動車のガラスも同様です。
肌のことを気にするのであれば、どこにも行けないと思ってしまいますが、適切に予防することが重要なのだと思います。
紫外線対策には、日焼け止め
日常生活では、SPF30程度が適切ですが、ビーチなど紫外線量が多い倍はSPF50などが必要になります。
日焼け止めには、吸収剤と散乱剤の2つがある
吸収剤は、紫外線の害を防ぐもの。
散乱剤は、紫外線を反射させるものです。
著者は、散乱剤を勧めています。
日焼け止めは2時間おきに塗り直すことが重要です。
重ね塗りでOKです。
日焼け止めが肌に馴染むには、15分程かかるため、紫外線にあたる15分前には、塗っておきましょう。
厚めに塗らなければ、効果が発揮されません。
また、速やかに洗顔料を用い洗い流すことも重要です。
ここでのポイントは、散乱剤を紫外線に当たる15分前に厚く塗り、2時間毎に塗り直し、速やかに洗顔料を使用し落とすことが重要です。
シミ対策
多くの人が悩んでいるのは、老人性色素斑と肝斑です。
老人性色素斑には、レーザー治療が推奨されています。
肝斑は、女性ホルモンが原因とされており、トラキサネム酸やハイドロキノンなどの使用で薄くはなるものの、根治は難しいとされています。
ハイドロキノンは外用剤ですが、皮膚の中に浸透させる技術により、効果が高まっているようです。
シワ・たるみ対策
シワは、乾燥ジワ・小ジワ・大ジワに分類されます。
いずれも、予防的介入としては、マッサージが効果的とされています。
表情筋のたるみであれば、他の筋肉同様に、鍛えることで効果が得られるとされています。
首のシワ
対策は、紫外線予防と保湿
下向き姿勢は、首のシワを促進させます。
高すぎる枕も、首のシワのリスク要因とされています。
ニキビ対策
チョコレート・ココア・コーヒー・アルコールなどがリスク因子とされています。
体質もあると思いますが、悩んでいる人はこれらの摂取を控えてみても良いかもしれません。
対策の基本は、早めの皮膚科受診です。
皮膚科は当然ですが、皮膚の専門家ですので、様々な治療オプションを持っています。
クマ対策
- 青クマ:血流不良が原因(寝不足や疲れなど)
- 茶クマ:色素沈着が原因(触りすぎに注意)
- 黒クマ:皮膚のたるみが原因(保湿が重要)
目を強く閉じて大きく開くストレッチが効果的とされています。
第2章:見た目年齢は、腸年齢
ヨーグルトローテーション
1種類のお気に入りのヨーグルトをたべるより、3−4種類のヨーグルトをローテーションしたほうが良いとされています。
摂取のタイミングは、朝がおすすめです。
食物繊維の摂取
最近流行りの糖質制限ダイエットでは、米の量が少なくなりがちですので、食物繊維の摂取量がそれだけでも減少している可能性があります。
意識的に、摂取する必要がありそうです。
コーヒー・紅茶はアンチエイジングに効果的であることが分かってきています。
コーヒーには、赤ワインと同じくらいのポリフェノールも含まれています。
脂肪燃焼効果もあるとされており、生活習慣病予防にも効果的という報告が沢山あります。
また、コーヒーを1日2杯以上飲む人は、シミが少ないという報告もあります。
他にも、癌の予防効果やうつ病の予防効果など、メリットの方が大きいとされています。
妊婦や妊娠を予定している女性は、避けたほうが良いとされています。
ワイン・ウイスキーの効果
赤ワインは、地中海食とともに健康への影響があるとされています。
白ワインにも、腸内環境を整える効果があり、美肌には良い作用をもたらすとされています。
ウイスキーには、シミの原因物質であるメラニンを抑制する働きがあるとされています。
ウイスキーも樽で熟成させるため、ポリフェノールが溶出するとされています。
ただし、アルコールは少量でも飲まない方が良いとする報告もあり、少量のアルコールであれば、健康に良いというのが事実なのかは、今後の研究成果を注視する必要があると思われます。
ナッツを上手に使う
ナッツの科学的根拠は多数あります。
アンチエイジング効果を持つとされています。
アーモンドには、ビタミンE含有量が多いため、シワの改善効果も期待できるとされています。
アーモンド以外にも、ナッツであれば何でもよいとされています。
日本では、ピーナッツが多いと思います。
お腹が空いたらナッツ、というのは理にかなっていると思われます。
ただ、以外に高カロリーですので、カロリー過多に注意が必要です。
ナッツはほとんど脂肪です。
脂肪は、蛋白・炭水化物の1g=4Kcalと比較して、1g=9Kcalですのでカロリー摂取量が多くなります。
動物のクマが冬眠前に食べるのもうなづけます。
個人的には、高齢者では体重減少傾向になりますので、窒息のリスクがなければ、積極的に摂取して頂いたほうがよいと思っています。
また、高カロリーとはいえ、糖質制限ですので、太りにくい食材であるとも言えます。
ジャンクフードは老化を早めるとされ、油の過剰摂取は、様々なアレルギーや頭皮のかゆみの原因になるとされています。
ナッツとは逆に、避けたほうが良いでしょう。
10種類のスーパーフード
- スキール(アイルランドヨーグルト)
- カカオニブ
- コンブチャ
- アボカド
- キヌア
- アサイー
- ビーツ
- ケール
- 抹茶
- カリフラワーライス
あまり、馴染みのないものもありますが、なんだかどれも効きそうです。
個人的には、アボカド・キヌア・カリフラワーライス以外はあまり、積極的には摂っていません。
カリフラワーライスは、CoCo壱番屋のメニューでもありますが、ご飯よりさっぱりしているので、個人的にはおすすめです。
第3章:毎日の習慣で外見力を磨く
正しい睡眠
睡眠後3時間までが、成長ホルモンが分泌される時間とされています。
そのため、入眠後3時間はゴールデンアワーとも言えます。
また、睡眠時間は7時間程度が望ましいとされています。
仕事ができる人ほど、睡眠にこだわっているという情報もあります。
睡眠は毎日の事ですし、1日の1/3程度は睡眠の時間ですので、やはりこだわるべきなのだと思います。
マットレスや枕などは、少々高くても、自分にあったものを選択したほうがよいと思います。
禁煙のすすめ
喫煙は100害あって1利なし、とはよく言ったもので、ほんとにそうだと思います。
利点としては、喫煙所での喫煙者どうしのコミュニティと税金を収めていることくらいでしょうか。
タバコを吸うこと自体は、個人の自由ですが、人の近くで吸うことは辞めていただきたいと思います。
これは、禁煙者のほとんどがそう思っているのではないでしょうか。
加えて、タバコのゴミが多いです。
それだけで、喫煙者への良い印象は持ちませんし、マナーが悪いというレッテルを貼られているのです。
当然、美容にもよくありません。
第4章:髪が変われば若返る
植物が元気に育つには、健全な土壌が必要なのと同様に、髪にとっては、頭皮の健康が重要になります。
シャンプーの基本は、地肌を洗うことです。
加えて、頭皮マッサージは血行促進など利点があるとされています。
シャンプー後は、リンスを使用しましょう。
シャンプーで一時的に皮脂膜が除去されてしまうためです。
薄毛予防にも効果的とされていますので、男性こそ積極的に使用すべきです。
また、コンディショナーの場合は、浸透に時間がかかりますので、シャンプーの3倍の時間が目安になります。
ドライヤーは、一般的につかったほうがよいとされていますが、ここでは自然乾燥を勧めています。
頭皮にも日焼けはよくありません。
帽子や日傘を上手に利用し、日焼けを予防しましょう。
第5章:これだけで見た目が変わる
手と爪のケア
トップセールスの方などは、爪の手入れをしているそうです。
爪の切り方は、スクエアカットが良いと色んな本に書かれていますが、個人的にはなんだか気持悪い感じが残ってしまいます。
爪にも保湿剤が良く、ワセリンなどで良いとされています。
甘皮はつい引っ張ってしまいがちですが、剥がさないほうがよいです。
爪は、年輪と同じで、特徴的な爪の所見が出る場合があります。
手荒れは、主婦など悩みが多いとされていますが、予防が重要です。
手荒れケアの基本は、保湿ですので、ワセリンなどで油膜をつくり表面を保護する必要があります。
まとめ
皮膚は人体最大の臓器です。
また、皮膚は人の見た目でわかる臓器です。
そのため、適切な予防などの日々の介入が重要です。
また、人は見た目で決まるとよく言いますが、実際医療系のテキストにも記載されています。
いつまでも、若々しくいることこそが健康に左右しているのかもしれません。
この本を読んですべてを実践というよりは、できそうなところから、日々の蓄積で5年後10年後が決まりますので、後悔しないためにも大切に付き合っていくことが必要です。